| 復讐鬼は遠野の扉を叩いた この瞬間復讐の幕は上がった……鬼は思う。復讐が間違ったことと誰が決めたのか 想いを秘めたまま彼はワラウ…その顔に浮かぶのは仮面か、それとも…… 『悲劇の傍観者』は己に誓う。不退転…と そして心優しき殺人貴達は決意する。鬼に狙われた姫を守るための『剣』となることを 幕は開かれたばかり… 〜夢幻の闇〜 第一話 「静かなる宣戦布告」
「今日の来訪者はまともな方ですね。安心しました。まったく、何ヶ月ぶりに呼び鈴の音を聞 (ごめん、秋葉。二人とも俺の関係者だ…) 志貴はそう思ったが、 「いや、ちょっと待て。業者さんとかみんな呼び鈴押すだろ?」 もはや語るまい…そうこうしてる間に客を迎えに行った翡翠が帰ってきた。 「秋葉様にご用があるようですが、いかがなさいましょう?」 十夜…その姓に不安を覚える俺と秋葉。何故なら俺の姓は七夜だったから… 「大丈夫ですよ、兄さん。きっと考え過ぎですから。珍しい姓ですが、いやな雰囲気は感じま 秋葉の言葉。確かにそうだが、気のせいか?七夜の血が僅かに反応する。 「そうだな。じゃあ、俺は席を席を外すよ」 多少の不安はあるが秋葉にちょっとでも殺気を向けるようなヤツなら飛び出せばいい。そう 「そうしてもらえますか?あ、翡翠、ここに通してもらえる?」 一礼し迎えに行く翡翠。俺は食堂に向かった。何故かって?秋葉の説教で朝食すら食べて 「琥珀〜?コーヒーの用意お願いね〜!」 台所から琥珀さんの声が聞こえる。見ないと思ったらそこにいたのか。
「おはようございます、志貴さん。お客様ですか?」 内心の不安を隠すようにおどけてみせる志貴。 「あは〜♪この屋敷に押し売りに来る命知らずな方々はもういませんよ。今ならいざ知らず、 そう言ってトレイを持って出て行く琥珀を見ながら志貴は、 (きっと俺の不安に気付いて和ませてくれたんだよな?そうだよなッ!!) 現実逃避をしていたとかなんとか。そこに某青い魔法使いさんの「志貴、自分も騙せない嘘
「なんの連絡も無しにいきなり訪ねたことをお詫びいたします。」 秋葉は安心していた。兄のかつての姓と似た姓を持つ男の突然の来訪。血生臭い話に展 「無礼な方々というのは真祖の姫君と代行者のお二人ですか?」 何気ない言葉……空耳で済ませたかった。思わず秋葉は立ち上がりかけた。そこにタイミ 「コーヒーをお持ちしました。よろしければお召し上がりください。」 琥珀がコーヒーを持ってきたようだ。 「あ、これはどうも。いただきます」 と、さっきから雰囲気を変えることのない観月の言葉。 「では、失礼させていただきます。」 琥珀は一礼し、去っていく。 「どうやら、ただの人間ではないようですね。いったい何者です?」 幾分かは落ち着きを取り戻した秋葉の問いを観月は笑って返した。 「人間でない…それはあなたも半分は当てはまるでしょうに。いいでしょう。まずは自己紹介 観月は話した。鬼の一族、その務め、自分が最後の生き残りということ。そして… 「もうお気付きでしょう。私はあなたの先祖にあたる鬼ですよ。そして、私の目的も…」 やはり雰囲気を変えることなく言い放つ観月に秋葉は恐怖した。夢なら覚めてほしい… 「…あなたの目的、それは復讐ですか?」 禁断の問いかけ。相手の反応しだいで自分はこの世から消えるだろう。だが、相手の反応 「まぁ、そうなりますね。時代遅れでしょうが、これだけは…譲れないんですよ。」 勝手な言い分ですね、と観月は笑う。 「今日はいきなりでしたから、また後ほど伺いますよ。そうですね…二日後の満月の夜、"十夜" 十夜とは観月の一族での聖夜、満月に祝福されし夜という意味がある。そして観月という名
「琥珀さん!どんな話してた?」 コーヒーを運んで食堂に戻ってきた琥珀と志貴は訪問者に興味があったのだ。 「それがですね〜、ちょうど秋葉様が何かを言いかけたところだったので、よくわかりません そう、志貴はさっきから食堂のドアを少し開け、様子を伺っていた。いつでも飛び出せるよう 「十夜さんという方、なかなかの紳士ですよ〜。お若いのに礼儀も心得ていましたし。」 それでも気配など微塵も感じなっかたが… 「あっ、翡翠ちゃんもそう思った?」 暴走する姉妹、だが見合いならば当然前もって連絡があるだろう。そのことを指摘すると、 「あはっ♪きっと町中で見かけた秋葉様に恋してしまったんですよう。」 と、琥珀さん怒ってますのポーズ、翡翠は不機嫌な顔でのコンビネーション。う〜ん、姉妹 「わかったよ。あれ?話終わったみたいだよ。観月さん帰ってくし」 失礼します、と翡翠は出て行った。 「さて、秋葉になんの話だったか訊きに行きますか!」 ビシッと親指を立てる志貴、何事もなっかたことが彼を安心させた……秋葉の言葉を聞くま
「結局、遠野がいくら変わろうとも罪は消えませんね…」 自らを笑う。このまま皆には打ち明けずに自分だけが復讐の刃に屠られよう。秋葉は気付 「秋葉」
「(なんか、話しかけ辛いですね)」 そうは言った志貴だったが、いつもと違う秋葉に声をかけていいものか悩んでいた。触れれ (俺は何を迷っているッ!?琥珀さんの言う通りじゃないか!) 志貴はそう決心し、秋葉に声をかけた。 「秋葉」
「どうしました?」 なるべく自然に応えた。余計な心配をかけたくないための行動だったが志貴にはそれは 「どうしたって、お前泣きそうじゃないか。さっきの人に何か言われたのか?」 いきなり核心を突く質問。どうして普段は朴念仁ぶりを発揮するのにこんな時は鋭いのだろ 「なんでもありません。これは遠野の問題ですから。」 そこには見送りに行った翡翠が戻ってきていた。 「秋葉様は私も姉さんも家族だとおっしゃってくださいました。家族がそのようなお顔をなさって この子は見かけによらず頑固だ。翡翠からこんな言葉を聞くとは… 「そうそう、翡翠ちゃんの言う通りですよ?」 今まで様子を覗っていたであろう琥珀の言葉。 「秋葉様?もうお付き合いも長いですし、気兼ねなく話していただけませんか?志貴さんの 私は泣いた。家族皆を前に泣いたのはこれが初めてではないだろうか?だって、みんなが
「そうか…あの人鬼だったんだ」 その話を聞いた志貴達は暗い表情を浮かべた。だが、秋葉はこんなことを一人で抱え込ん 「あいつ二日後の夜に来るんだろ?それまでにどうするか決めないとな…俺は、万が一の時 志貴の気持ちはありがたかったが、秋葉はまだためらっている。戦うということを… 「秋葉、その気持ちは解かるよ。俺だって戦いたくなんかないさ。だけどあいつは、一族が滅 琥珀の当然の疑問。秋葉だけはその事実を知っている。 「二日後の夜は…彼の一族が滅んだ日と言っていたわ。」 気が付けばもっともなことだろう。わざわざ決行を予告、それに意味はあるのか、今はなん 「とにかくさ、俺も二日後にはあいつに会って話しを聞くよ。もし、話が通じないようなら…」 そう、遠野に対する私怨ならば俺たちだけでやらなければ相手も納得しないだろう。 「秋葉様、以前私が話した遠野家への復讐…覚えておいででしょうか?」 琥珀の突然の言葉… 志貴の声を気にせず琥珀は言葉を紡ぐ。 「私も復讐を考えた人間です。そんな私から言えることは、私が復讐したかった遠野家はもう 琥珀は最後まで言い切ることはできなかった。秋葉がその言葉を聞くやいなや琥珀に抱き 「…琥珀、ありがとう…本当に…ありがとう……」 秋葉は思う。今日は涙腺が緩みっぱなしだと。そして、自分がいままでしてきた贖罪を認め 志貴は思う。この日常を壊させはしない。今の遠野は自分の居場所と言える…家族を守る。
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| そして早速頂きました、過ぎ去りし流星さまよりの「夢幻の闇」 第一話でございます。 ほのぼのとした日常を崩す、過去の罪への罰の襲来。悩み、 苦しむ秋葉を支えるのは血の繋がらない、しかし誰よりも心は 繋がっている家族達。 いいですね〜、こう言った話に俺は弱いのです(っT▽T)っ 過ぎ去りし流星さま、有難うございました。第二話も首を長くし てお待ち申し上げております〜 |