■ 猫肉饅頭 ■


権兵衛党




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 まずおっぱいが登場する。
 彼女は震えていた。


 のっけから一体何事だ、と思うかもしれないが勘弁してやって欲しい。原典に忠実に、気が狂っていた、というよりも幾段かはマシであろう。
 もっとも、おっぱいの気が狂ってどーする、という別の観点に立ったとしてもやはり震えている方がましだろうし、更に言えばどういう観点から見てもすこぶるマシでは無いかと思う。気が狂っている方がマシだという観点があったらどうか一つ教えて欲しい。たぶんご丁寧に指摘してくれたソイツとは一生判りあえない事を確認できる。
 ところで原典ってのは何だっけ?
 まあそんな事はどうでもいい。
 とにかくそのおっぱいはプルプルと震えていた。
 もちろんおっぱいというのは大方の場合は二つで一対の代物で……ああ、4つとか6つとか霊長類以外のブツについては最初から除外しているからそのつもりで。あと野郎の乳についても無論のこと排除せねばならない。言うまでも無いが。
 ともあれ、俺の目の前でおっぱいがフルフルと小刻みに震えていた。
 ボリュームとしては大きい方とは言えないが、とりあえず震えるくらいの事は出来る。それさえも出来ないおっぱいもこの世には存在するわけだから贅沢を言ってはいけない。
 ところで当然の事ながら彼女には相方が存在する。右のおっぱいには左のおっぱい、左のおっぱいには右のおっぱいという盟友がなければならない。
 その盟友はいったいどうしているのかというと。

 ぷに、ぷに、ぷに、ぷに、ぷに、ぷに、ぷに

 延々と指でつつかれ続けているのである。俺に。
 飽く事も無く繰り返される行為の中で、彼女の盟友は翻弄され続けていた。
 盟友の惨状を目の当たりにしての彼女の震えは果たして憤慨か、波及への恐れか、はたまた羨望の思いを表しているのか。
 それはイマイチよく判らないんだが。

「――アンリ」
「ん?」

 ああ、もちろんの事このおっぱいにも持ち主が居てな。
 ところで持ち主のいないノラおっぱいとか想像したら結構グロくないか?

「さっきから一体何のつもりですか?」
「いや、何となく」

 ちなみにこの、俺を睨んでいるサドマゾ極悪シスターがおっぱいの所有者だ。
 名前をカレン・オルテンシアという。












 さて何でこんな事をしているのか説明しようと思えば話は長くなるのだが。
 それでもあえて語るとすればこうだ。

『一度やってみたかった』

 短かっ、とあえて自分で突っ込んでみたりする。最近一人ボケ突っ込みに慣れてきてそこはかとなく悲しい。
 ともあれおっぱいを無性に弄くりまわしてみたい衝動に駆られるのである。それも猛烈に。原因は恐らくアレだ。俺のマスターこと、バゼットのやつの宝具級のアレである。
 あんなものを胸に下げて激しい戦闘を繰り返すものだから、目に付いて仕方が無い。まるで話にだけは聞く乳揺れ格闘ゲェムとやらを生で見ているようなものである。
 しかしあのデッカイ宝具に手を出すのは死を意味する。
 無論一度や二度死んだところでどうという事も無い我が身だが、そこはそれ、中身が13歳のお子様と認定した以上は手を出したら俺は立派なロリコンという事になってしまうのだった。……あんなに立派なブツぶら下げたロリとは、なんて罪なイキモノか。
 そこで悔い改めようとは欠片も思わなかったが柄にも無くなんちゃってシスターに懺悔の真似事などしてみたら、散々見下げ果てた目つきで「駄犬」だの「早漏」だの「ぽるかみぜーりあ」だのと性犯罪者のよーに罵られた挙句、その最後にカレンは神に祈りを捧げるポーズで「迷える悪魔を救うのも私の務めです。その渇きに答えましょう」と言ってのけたのだった。
 そこで俺は

「ハッあんたじゃ役者不足だな。いや、乳不足ってやつ?」

 とせせら笑ってやり、カレンは大いにむくれたものである。
 だからそのまま流してしまえばこの話はそれで終わりだったのだが。
 むしろどう考えてもそうするべきだった。バゼットと比べて物足りないボリュームなのは確かだし。
 だがここで余計な好奇心と探究心と執着心が発揮される。
 いや、大きくても小さくてもおっぱいはおっぱいであるだけで素晴らしいではないか、という向きもあってな?
 つまりここでの俺の心理を説明すると。

 ついカッとなってやった。
 おっぱいならなんでもよかった。

 に尽きよう。
 まあ今でも反省はしていないけどな、などとケタケタ笑ってしまう辺り俺も堕ちたものである。堕ちてない悪魔なんて居ないけどな。
 更に言えば反省する悪魔も居やしない。はい俺等はそろって猿以下です、反省なんてできません。
 そんな訳で、と言うとどういう訳なのか自分でもまったく理解できないが、俺はカレンのおっぱいを延々ぷにぷにとつっついていたのだった。
 そして当のカレンはと言えば、それが何やらご不満なご様子である。
 全く意に介しもせずにぷにぷにしていると

「……まさか本当に胸をつつかれるだけ、とは思いませんでした」

 溜息と共にそんな呟きが洩れ聞こえたりした。
 よってニヤッと笑って聞いてみる。

「あ? 何か期待してたの?」
「いえ、私はこの身を捧げるのみです。お好きにどうぞ」

 しかし返答とは裏腹にどこか拗ねた様な表情が変わらない。
 いやはや可愛いねぇ、と内心で思いつつフゥンと気の無いフリでぷにぷにと続ける。
 ちなみにここは教会の中なのでカレンは修道服――カソックって言うんだっけか?――を着ている。白く塗られた壁際に立たせ、その裾を自分の手でたくしあげさせているのである。
 長椅子の端に腰掛けた俺の目の前に、カレンの白いお腹とその中心のやけに可愛いお臍が見える。少し視線を下げれば清潔だが質素な下着に辿り着き、そこから伸びた脚には数箇所包帯が巻かれている。日焼けの無い透き通るような白い肌に更に白い包帯という無闇に扇情的な取り合わせに、そこはかとなく漂う消毒液の香り。
 そして、眼を上に向ければ揺れるふたつのふくらみが、俺を誘っていた。
 バゼットに比べれば迫力は無いが、熟れる寸前の瑞々しい果実を思わせる水気と艶が食欲めいた欲望を掻き立て、うっかりと唾を飲み込んでしまいそう。
 更に眼を上げればたくし上げた法衣を支える指と、何やらこの扱いに不満そうなカレンの表情が見られる訳だがまあそれはそれ。
 俺はまたカレンのおっぱいと戯れる。
 服の上からでも大方の想像のつく――というか、想像を掻き立てて止まないというか――バゼットの曲線とはまた違った、なだらかなカーブを描くそのふくらみ。決して大きくはないが指で押すとふにっと潰れて、その異物を柔らかく受け入れる。その感触が興味深くて、ぷにぷにぷにぷにと延々繰り返しているのだった。
 そしてここが重要な所だが、俺は悪魔でカレンは被虐霊媒体質とやらだ。俺が触れるという事自体がカレンにとっては媚薬かつ毒薬に等しいという奇妙な関係である。やりすぎると俺が死ぬが。
 故になのか、おっぱいにしか関心の無いフリをしつつこっそりとその表情を伺うと、俺の指がぷにっと柔らかいおっぱいを押す度に、未だに拗ねたままな顔の端々が――つまり八の字を描く眉の端であるとか、目尻の睫毛であるとか、あるいはへの字になってる口の端だとか――ピク、ピクと震えるように蠢き、また同じ表情に戻る。時に悩ましげな吐息が頭の上を通り過ぎていく。
 そして俺がその表情をニヤニヤしながら追っている事に気づくと、ますます拗ねた表情はきつくなりプイッと顔を背けたりするのだ。
 いやはや、こんな面白い状況はめったにない。思わず大笑いしてしまいそうになるが、それをしては流石に其処で終わりになってしまう。だがこれでは笑い転げたくなる衝動を抑えるのも大変である。
 と、滑らかな肌のふくらみをぷにぷにぷにゅぷにゅとつつきながらそんな事を考えていた所為だろうか。この時俺の指は狙いを外し、あえて避けていたおっぱいの先端、カレンの乳首をムニュッと押してしまった。

「あ、ン」

 途端に小さく鼻にかかった声が上がる。
 よし、これはこれで結果オーライ。
 一瞬遅れてカレンはそれが自らの喉から出た声である事に気づいたらしく、眼を大きく見開いてから不思議そうに自らの口を両手で抑える。カレンが手を離した所為で、カソックの裾がふわっと下に落ち、その身体を神の僕の衣の下に覆い隠していく。

「あ、感じた? 感じた?」

 ワザと犬歯むき出しのニヤニヤ笑いで訊ねつつ、落ちたカソックの端を自分でまくり上げた。
 その下の肢体、晒されたふくらみの先端は、こころなし最初の頃よりも朱の色が濃くなり、艶めいてきているように感じられる。全体的に色素の薄い身体の中で、桜色に染まりつつあるそこは物凄く眼を引き、俺の欲望を刺激する。怯えるように震える其処は、確かに俺を誘っていた。

「そんな事はありません」
「へー、へー、へー」

 憮然とした顔で言うカレンに対し、俺は投げやりな返事をしつつ心の中だけでニッと笑って指の動きを変える事にする。
 一度触れられた事で次の刺激を求めている様なおっぱいの先端をあえて避け、その外周の薄く染まりつつある部分に指を這わす。触れるか触れないかという微かさで、ゆっくりと円を描くように。

「ン……ン……ク、ン……」

 柔らかい膨らみの上の肌を俺の指が這うに連れて、カレンの喉が小さく震える。官能を噛み殺す息遣いを感じ、俺は愉悦に浸る。
 指先に触れる柔肌がしっとりとした感触を伝え、僅かに爪を立てると微かな震えがカレンの昂ぶりを感じさせる。否、その下に感じ取れる息遣いと鼓動だけでもそれは分る。
 なんて生ぬるくジリジリした繊細な官能だろう。
 そう思えばこの場で一気にこの女を暴き、犯してやりたい衝動を感じないでもない。手始めに胸を思いっきり握りつぶすのも良いだろう。
 だがそうした所でこの女が黙って受け入れるだけなのは目に見えている。
 それに何か面白い事をやる時は、その下準備に手を抜いてはいけないのだ。今も省略するのが惜しい程に十分楽しいしな。

「ほら、自分で持てよ」

 カレンは無言で自らの服の裾をその手にたくし上げる。自らの肢体を俺の眼に晒し、捧げる為に。
 そして俺は、飽きずにカレンのおっぱい上に指を置いていた。
 念入りに、まるで蝸牛でも這うかのように、ゆっくりと。自分の興味の赴くままに、けれどこいつの顔が官能に沈む様を見てみたくもあって、擽るように指先を蛇行させていく。
 俺にとってもカレンにとってもまるで物足りない、ジリジリとした悦楽ではある。しかしこのシスターの肢体がどこまでも淫らに出来ている事は実感を伴って伝わってくる。そう、思わず舌なめずりをしそうになるほどに。
 そういえばこいつの名前は紫陽花の意味だった筈だ。蝸牛とは縁があるというべきか。そう思った俺は自分の人差し指を舐め、それからカレンのおっぱいに触れるようにした。
 濡らされた指は這うというよりも滑る様に柔肌の上をぬめり、蝸牛そっくりの銀の軌跡を残していく。
 ヌルリヌルリと這う蝸牛と白すぎる紫陽花。うむ、この方が面白いか。

「……跡を残すのがお好きですか、まるで縄張りを主張する犬コロね」

 するとカレンが憎まれ口を叩いてくる。
 まあそれにも慣れた。むしろコイツらしくて待ち遠しいくらいだ。……アレ? 俺ちょっとマゾ入ってきたか?
 まあそんな事はどうでもいいやと気を取り直して、と。
 カレンの息が少しずつ乱れてきているのを俺は感じていた。

「ヒッヒ、じゃあここは俺の縄張り……だっ!」

 故に。
 俺はあえて触れずにいたおっぱいの先端、きっとカレンの意識と神経が集中しているであろうその先端を、思いっきり摘み上げた。

「ヒ……グッ」

 その表情が見る間に苦痛に変わり、目がギュッと閉じられる。
 息を飲んだ拍子に胸が震える。むき出しの膝が微かにふらつき、バランスを取り直す。
 それを確認して俺は指を離し、ちょっと赤くなったそこを撫でる様に動きを変えた。
 カレンは止めていた息を吐き出し、息を整える。それが終わるのを俺は少しだけ待ってやる。
 ところで本当に犬だったら縄張りは小便ぶっかけて示すものだぜ――

「あら、そんな趣味があるのですか特殊性癖野郎」

 無言でもう一度ギュッと摘み上げてやったりとか。
 いいねいいね、このやり取り。何故だか陽気にムカムカ来るぜ。
 抑えても自然に笑いが込み上げてくるのが、何と言うかエネルギー補給って感じ?
 犬歯を見せて凶悪に笑いつつ、俺の手はカレンの胸を弄る事を止めない。
 流石に指一本だけでは物足りなくなって、今度は両手でペタペタと触ってみる。今まで傍観していた同僚おっぱいの方も出番ですよ?
 とりあえず手の平をギュッと押し付けるとカレンのおっぱいはムニュッと柔らかく潰れ、俺の手の中からこぼれ落ちようとする。逃げる肉を五本の指先で抑え、文字通り手中のものにした。

「ふむ」

 バゼットの宝具級のおっぱいとは比較にならないとはいえ、手の平にギリギリ納まる程度のポヨポヨ感はなかなかどうして侮れない。
 手の中の、このオンナを現す肉隗が、そのままカレンの柔らかさ、熱さ、その淫らさ、やらしさを俺に伝えてくる。思わず掴んだまま、爪を立ててしまうほどに。

「ンン……」

 カレンの白い肌に僅かに赤い血が浮び、苦痛を示す声が上がった。
 それは無視して、掌に得たおっぱいの感触を堪能する。
 柔らかく、指に吸い付くような肌触り。フカッと沈み、それでいてしっかりとした重みを感じさせる淫蕩なふくらみ。貪欲に刺激を求める、聖女の中のオンナの部分。
 そんなイヤラシイ肉の隗が、俺の手の中にある。
 それは正直、俺の男を直撃する感覚だ。悪魔に欲望を我慢しろなんて無茶言うな。
 カレンは苦痛を堪えている時、その表情が最も艶やかになる。俺をしばし狂わせかねない程に。
 思いっきり掴んだそのふくらみをこね回す。
 大胆に、千切れんばかりに激しく。

「アッ……フ、ゥ……ク、ぅ……」

 苦痛と、快楽と。
 その両方を叩き込まれるカレンの息は今まで以上に乱れ、俺の顔に熱い吐息がかかる。 
 これまでの生ぬるさとは違う、明確な悦楽と苦痛に耐える為の仕種。幾度か膝が崩れかけ、足元をふらつかせる。
 それでもたくし上げたカソックの裾をカレンは離そうとしない。俺にその身体を預け、どう扱っても構わないと言っているようなものだ。事実、こいつはそうしてどんな事でも受け入れやがるだろう。

「ふん」

 何か凄くやる気が失せて、俺はおっぱいを一度離してやった。
 さて、目の前で絶え絶えな息を整えているコイツに何をどうすべきか?
 白すぎる肌の上に痛々しい紅色の痕が残り、爪痕からは少しだけ血が浮き出ている。考えるまでも無く、それが目に付く。傷だらけのその身体に、俺がこの手で付けた傷。

「フン――」

 もう一つ鼻を鳴らして、眼を近づける。

「――アンリ?」
「ジッとしてろ」

 ペチャリ、と流れた血を舐め上げた。
 ひっとかフェッとか言う間の抜けた声を上げるカレンを他所に、俺は舌で自らの付けた傷跡を舐める。
 癒しではない。
 仮にもこの世全ての悪と呼ばれた悪魔だ。こいつの体質にとって、触れられるだけでも身を破る苦痛に耐えねばならない事を知っている。癒すのなら、否、それはできないにしてもこれ以上傷を増やさない為なら、ただ離れれば良い。
 そうしない以上、これは癒しでも治癒でも何でも無い。ただ形を変えた傷をつけ続けているだけである。そんな事は判っている。俺とコイツは互いを傷だらけにする事でしか関わりあえない。

「ン……ゥ……ハ、ァ……」

 全て承知の上で流れる血を舐め、傷口に唾液を塗りつける。カレンにとっては猛毒を擦り込まれているのに等しいのかもしれない。漏れ聞こえる喘ぎが苦痛によるものか快楽によるものかは判らない。しかしどっちでもいい。コイツにとって、それは全く同じ意味だ。
 赤い血を吸い、白い肌に舌を這わす。
 苦痛と愉悦を共に感じながら、そんな事でコイツは昂ぶっていく。
 柔らかい胸の肉を啄ばむとカレンの目蓋が悩ましげに閉じられ、睫毛の先が震える。
 舌先で胸の先端を突いてやれば、切れ切れな熱い吐息が俺にかかる。

「あ――」

 より強く舌で舐るために、カレンの細い腰に手を回し、グイと引き寄せた。
 頬ずりするようにその胸に顔を埋め、ピチャリピチャリと水音を立てて舐め回す。カレンの背が折れ、反り返るけれど気にしない。
 カレンの手に持たせて引き上げさせているカソックと素肌との境目にまで鼻先を突っ込み、露になっている一番上からゆっくりと舌を下降させて見る。ふくらみの始まる辺りからゆるやかな曲線をなぞり、その頂点へと銀の濡れ跡を留めて揺れ動かしていく。
 腕に抱いたカレンの腰から、僅かに逃れようとする動きを感じて、俺はますますギュッと抱き寄せた。
 そのまま臍の辺りまで跡を伸ばして、また元来た道を辿って返る。カレンを抱いた腕と這わせる舌との双方で、カレンの戦慄きを感じている。その息遣いと心音、ぬくもりも。
 人気の無い冷ややかな神の家で、ただカレンと俺の息遣いだけが続いていく。
 今誰かがこの教会を訪れたらこいつは少しは動揺するだろうか? そんな無意味な疑問が流れて溶けた。
 眼を閉じて耐えるカレンは、自らの身に与えられる感覚に神経を集中させている。
 だから俺は、唐突にふくらみの先端に噛み付いてやった。

「ひあっ――」

 流石に刺激が強すぎたのか。カレンの膝がガクッと落ちる。
 腰に回した俺の腕に、カレンの重さの全てがかかる。

「――すみません」
「構わん。そのままでいい」

 そうさせたのが俺であるのに、どうしてそこで謝罪する気になるのか。
 まあ、いい。
 立ち上がろうとしたカレンを制し、俺も膝立ちになって同じ事を続ける。
 バランスを取りづらそうなカレンの背にもう片方の腕も回し、その胸にしゃぶりつく。
 最初のころと比べれば、白かった肌には――今でも白すぎるけど――心なしか赤みが差して艶を増し、その肌に幾筋かの俺の爪が残した痣が残っている。
 その柔らかい胸に鼻先を押し付けると、未だに残る消毒液の匂いと石鹸の匂いに混じって、カレン本来の肌の匂いと思われる物が僅かに鼻腔をくすぐっていく。それをもう少し感じ取りたくて、胸の谷間に顔を埋めて眼を瞑り、大きく息を吸い込む。
 肺の中にコイツの匂いが入ってくる実感がある。

「……今、どうしてか、凄くあなたの頭を撫でてみたい気がしました」

 ボソッと呟くカレンの柔らかい声にふと頭をナデナデされる自分を想像してしまいゲンナリした。それは何か凄くアレな光景だなオイ。
 そんな事考えさせないようにせねばなるまい。
 という訳で、もう一度胸の先端に噛みついた。

「――ッ」

 カレンは声を押し殺す。
 その表情を眺めて満足し、今度は口の中に含んで転がす。
 舌先で優しく、チロチロと擽るように。
 度重なる虐待にとうに敏感になっていた胸の先端は、俺の愛撫を容易く受け入れる。

「あ? え? ……ン、ふ」

 コロコロと変わる扱いについていけないのか、戸惑ったような声が上がり、それからまた悦楽を押し殺す声が代わる。
 俺は執拗にその先端を舌で転がし、時に甘噛みを加えて責め立てる。
 胸の下の鼓動も、耳にかかる吐息も熱さと激しさを増し、カレンの昂ぶりを感じさせる。
 昂ぶりと言えば俺だってそうだ。夢中になってカレンのおっぱいを舐めしゃぶりながら、俺自身だってギンギンになっている。
 膝立ちの格好からして、なにやら敬虔な修道女に戯れ襲い掛かる、ハッハッハッと息を荒げてと発情した黒い牡犬って図が思い浮かばないでも無い。相手が敬虔かどうかは別として。
 ま、実際そんなモンだし犬よりも性質悪いわな。悪魔だし。
 そんな馬鹿を考えつつ、チュゥッと力一杯その先端を吸い上げた。

「あ、アンリ――アンリ――っ」

 半ば意味も無くカレンが俺の名を呼ぶ。カソックをたくし上げていた手はいつの間にか俺の頭に回り、ギュッと抱きしめられていた。
 アンリ・マユ。この世全ての悪。そんな名で呼ばれるこの俺を、その腕に抱きしめたのはコイツが最初で最後だろうなきっと。たく、触れるだけでその身が内から爆ぜるのを堪えねばならない体質の癖して。
 ま、コイツに殺されたって別に構わんけど。
 カレンが手を離した所為で落ちて来たカソックを鼻先でかき分けつつ、俺は執拗に胸を舐め続ける。
 ぷっくりと勃起した乳首を甘く噛んで押さえ、舌先で先端を擽ってやる。カレンの胸を押し潰すように顔を埋め、あちこちにキスを繰り返して唇痕を残す。

「ン……ふぁ、ン……あっ」

 肌を味わい、その柔らかさを犯し、カレンのオンナを暴き立てる。
 頭を抱かれた事で俺は更に密着し、体温も鼓動も、すぐ側の息遣いもますますダイレクトに伝わってくる。身体が熱い。肺の中がカレンのいい匂いで満ち、焼きつくようだ。
 そんな行為をどのくらい続けただろうか。
 やがて、俺は俺にしがみついているカレンが、その脚を目立たない様にすり合わせて居ることに気がついた。
 思わずニィっと笑ったり。

「ホゥ、淫乱シスター様はそろそろ男が欲しくて堪らないか?」

 犬歯をむき出しにする感じで文字通り目の前の顔にそう言ってやると。
 カレンは慌てて俺の頭に回した腕を解き、あれこれと表情に迷うような間の後で。

「……私に構わず、貴方の好きにしたらいいじゃないですか」

 と応じた。やれやれ、みえみえの無理してやがる。
 ただし顔が最初の拗ね顔に戻ってしまった所を見ると、仮にじゃあ好きにするとばかりにこのまま立ち去ってしまったら後で大いに災いを呼ぶだろう事は間違いない。……まあ、そんな事はしないが。
 だって、こんなに楽しいし。
 さて、どうせならカレンの方から俺を求めさせたい所だが。

「無論俺の好きにするさ。それはそれとして、いやらしい修道女サマはどうして欲しいのかなー? と思ってさー」

 カレンの間近で見せ付ける様にニマニマと笑いつつその眼を覗き込む。
 何と言うかアレだ。こいつとの間で罵りの一つも飛ばないエロシーンというのはどうも調子が狂う。……何か、この俺とした事が、変な勘違いをしてしまいそうになるじゃないか。
 そして俺がこんな言い方をすれば、カレンは必ず――

「この駄犬」

 ――そうそう、見下げ果てた様な表情で言うと思った。
 イイねイイね、ゾクゾクと来る。こっちの方が調子が狂わないで済む。
 内心でゲラゲラ笑いつつ、さて次はどうするかと考える。
 ……ああ、どうして欲しいのかという問いに答えての駄イヌ呼ばわりだっけな。こいつには応えてやらねばならんな。
 という訳で。
 膝立ちのカレンからちょっとだけ離れてチョコンと座った。
 いや座ったというか、しゃがんで自分の前に両手をつき、舌を出してヘッヘッへと息をする、犬のお座りの型である。犬耳もあればピンと立て、尻尾だってパタパタ振ってやるところだ。
 まあ、あの槍遣いのヤツだったらこんな真似は死ぬよりも辛かろうがな。

「アンリ?」
「ワンっ」

 訝しげなカレンに陽気に答えてやり。
 それからニヤッと笑って。

「ほら、また服がズリ落ちてるぞ」

 と指摘してやった。
 要領を得ない顔のまま、カレンはまたカソックを自分でたくし上げる。
 それを眺めつつ四つんばいでタシっタシっと教会の石畳を進み、カレンの目前まで行って。そして。

「ひゃっ!?」

 大きくれろんとその顔を舐めてやったね。
 うん、犬のスキンシップとしては問題ない。
 この時のカレンの顔といったら、何とも形容しかねるがとにかく傑作だった。これを見ただけでもこんな真似をしている甲斐があったというものだが。
 俺は更にフンフンと犬を真似て鼻を鳴らしつつ、その鼻先をカレンの身体に押し付けて嗅ぎまわる。

「や――な、何のつもりです!」

 流石に混乱したのか、カレンは両手で俺の頭を押し返そうとする。まあ、離れてなんてやらないけどな。
 ところで何のつもりかという話だが。
 カレンの要望に応えて犬をやっているのである。それも、駄と形容される頭の悪い犬を。……あんまり素と変わらないという説もあるが。
 そしてまあ抵抗されると嬉しくなってくるのだね、特にコイツの場合は。
 故にカレンのあちこちをフンフンと嗅ぎまわりつつ。

「んー……イヤラシイ匂いが一体何処から漂ってくるのかなー、とか?」

 とニヤニヤ笑いで答えて。
 そして、カレンに立ち直る間を与えずに。

「ワンワンここだっ!」

 ズボッと。
 思いっきり、カレンのパンツに顔から突っ込んでみました。
 
「ひああっ!?」

 再び上がる悲鳴。
 頭の上にバサッとカソックの裾が落ちてくる。
 しかしカレン、幾ら裾を抑えてもその上からでは無駄だ。
 フンフンと鼻を鳴らしてカレンの湿ったパンツの匂いを嗅いでやる。イヤラシイ事この上ない、男を誘うオンナの性器と蜜の匂い。

「や、やめなさい!」

 腰が引かれるのを逃さず、ギュッと鼻先を押し付けて息を吸い込む。
 いや楽しい。すっげー楽しい。
 ジュクジュクと染み出る様に濡れていく下着。そこに鼻先を突っ込むとくらくらする。
 暖かくヌルリと濡れた下着と、その向こうの熱い肉。鼻に押し当てたそれらが俺の脳を焼いていく。

「あ、ああっ……駄目……」

 下着の上から舌を伸ばし、垂れたオンナの蜜を嚥下する。イヤラシイ淫らな味が口中に広がる。戦慄く両の脚の間に頬を埋め、口の回りも鼻先もベタベタに塗れていく。
 オンナの匂いが肺の中に充満し、脳みそがオンナの匂いと味に染まり、俺自身がどうしようもないくらいにいきり立つ。
 そして牡犬には当然そこで我慢をするという意思は無い。
 当然このまま下着に噛み付いて引き摺りおろし、バター犬の様にカレンの性器を隅々まで奥の奥までベロベロ舐め回して、いきり立った俺自身をねじ込んで本当にイヌの様につがってもいいんだが。

「――フン」

 しばしこの状況を楽しんだ後で、俺はもぞもぞとカレンの服の下から這い出した。
 カレンは慌てて後ろに退がろうとしたが、元より膝立ちの姿勢からではそうそう身動きも取れない。その場にぺたりと座り込んでしまい、カソックの裾を抑えて真っ赤になってこちらを睨んでいた。ああ……怒ってるつもりだろうが、実は可愛いんだがなその表情。目の端に涙浮かんでるし。
 カレンは乱れた息を整えるのにしばらく専念した後、無理やり冷静を装いつつ。

「呆れました。あなた本当にサカリの付いたオス犬ですか」

 ニマニマして口の周りを舐め回しつつ見ているとそんな事を言ったので。
 俺は再び顔をグイッと近づけて。

「んー、そんなモンじゃないか俺?」

 と、もう一度ペロリと頬を舐めてやる。のけ反ったって許してやらない。
 俺の唾液もカレン自身の愛液ももろともにその顔に擦り付けて。
 そして歯をむき出しに笑いながら。

「でも、鼻が湿ってるのは犬だからじゃねーぜ?」
「――っ」

 とカレン自身の蜜に塗れた鼻を、カレンの鼻先にくっつけてやった。
 反射的にのけ反ろうとするが許さない。濡れた鼻を犬のようにつき合わせて覗き込む。
 額と濡れた鼻をくっつけた、1センチでも動けば唇が触れ合う、そんな超至近距離から眼を合わせ、獰猛な笑いを湛えて言ってやった。

「オレがオス犬なら、アンタはメス猫だろ? サカリのついた、さ」

 もう一度べろんとその顔を舐めてやってから間近でカレンの眼を覗き込む。
 そのまましばし罵りの言葉か平手打ちか、あるいは実力行使であのやっかいな赤布が襲ってくるのを楽しみに待つ。
 ――が。
 待ってもカレンからの反応がなかった。
 イヌ呼ばわりもされないし、ポルカミゼーリアと悪態を吐くでもない。
 それを訝しく思いつつ、マジマジと観察してみるが睨まれているという雰囲気ですらなかった。
 近すぎて焦点を合わせる事もままならないが、大きく開かれたくすんだ金色の瞳が、俺の眼を見詰め返しているのは判るのだが。
 けれど、カレンはそのまま口を閉じて黙り込んだまま。
 焦点があっているのかいないのか、そのままジッと俺を見詰めている。
 ハテ、きっとまた強烈に罵って俺を喜ばせてくれると思ったのだが。……何か間違えたか?
 通り過ぎた瞬きが更に一度、二度。
 近すぎる距離が、互いの息遣いだけを伝え続ける。
 カレンは身じろぎもしない。俺も動けない。
 ただ眼を合わせたままの、静止画像。
 どのくらいそのままでいたのか。
 俺が、何やら持って行き方を間違えたらしい、と気詰まりに思いかけてきた頃。

「――仮に」

 ポツリと口を開いたのは、カレンの方だった。
 吐息も、唇の震えも、その暖かさすらも。
 全てが伝わる距離でカレンが訊ねる。

「仮に、私がサカリのついたメス猫だったとして、それならどうだと言うのですか?」

 ペタリと座り込んだカレンは心から不思議そうに、そう言った。
 どうやら何かカレンの変なスイッチを押してしまったらしかった。
 ……ああ、罵るでもなく睨まれるでもなく、そんな風に素直に来られるとちょいと困るのだが。眼を逸らしてしまいたい衝動に駆られたりしつつ、考える。難しく考えるの苦手なんだ。
 実際、特に深く考えて出た台詞でもない。
 どうだと言われても、何が変わる訳でも無い。
 ただ――

「素直に、ヤリたきゃヤリたい、って言えるんじゃねぇか?」

 なんとなく思いついた事を口にしていた。
 俺がそう言ってから、カレンは最初キョトンとし、それからますます不思議そうな顔になった。

「あなたが?」
「いや、おまえが」

 言い返してから、何となく腑に落ちた。
 コイツの生き方にも聖女ヅラにも今更とやかく言うつもりは無い。
 言うつもりは無いが、運命を受け入れるだのその身を犠牲に捧げるだの、なんとなく気に喰わない。見ていてもどかしい。
 たぶん俺は本当に、コイツに自分から求めさせてみたいのだろう。相手の意思でなく、時に自分の意思で相手を求める、その程度の小さな反抗はあって良い筈だと。
 全てを受け入れると決めた聖女に、自分の意思で男を求めるようにさせる。それは堕落に誘う実に悪魔的な行為であり、けれどたぶん、俺に残った少しばかりの人間だった頃の欠片から出た何かだった。
 まあ、あんまり深く考えていた訳じゃない。盛った犬猫みたいなシンプルな方が面倒が無くていいと思っただけだ。
 信じろ。

「――そんな事の為に、犬の真似までしたのですか」

 いつの間にか少しばかりの距離を取っていたカレンは、そう言って穏やかに微笑む。俺としては憮然とするしかなかった。
 俺の表情を見てクスリと笑ったカレンは、更に。

「いつぞやはあなたが、サカったメス猫じゃあるまいし、と言ったのですよ?」

 俺はますます憮然とするしかない。
 そんな俺の頬を、カレンは両手でそっと挟む。
 そしてコツンと額を押し当て、眼を合わせないまま小さな声で、たぶん貴方の言った事は間違ってないと思います、なんて言いやがった。
 一体何が間違っていないのか、それを尋ねる前にカレンは言う。

「私が淫乱な牝猫であれば。もし、そうであれば――」

 ――私は、貴方を求めてもいいのでしょうか。
 声はかすれて途中から聞こえない。けれど伏せた眼の下で、僅かに動いた唇は俺にそう問うていた。
 カレン・オルテンシアがそのままで俺を求めて悪い道理は無い。
 けれど、こいつはそれを決してしないだろう。俺の求めには応じるが、自分から求められない。それがこいつの決めた生き方だ。

「ああ」

 だからその問いを肯定してやった。
 そして目の前のカレンの腰を引き寄せて、キスをする。
 犯す為の、暴く為の魔にとっての口づけではなく、仔猫の戯れのような、触れるだけのキス。

「――あ」

 状況に理解が追いつかなかったのか。
 眼を見開いたカレンはかなりの時間が経ってから我に返り、自らの唇をその手で抑えるる。上目遣いにこちらを伺うその顔が、少し赤くなっていた。
 ……ああ、そういや人間らしいキスってした事なかったっけか。悪魔だし。
 まあいいか、と軽く流してニヤッと笑う。

「んで、アンタは、はしたないメス猫ちゃんでOK?」

 そして、なるべく陽気に聞いてやった。
 深刻なのも真剣なのも柄じゃない。道化で居た方が肩が凝らない。
 聞かれたカレンは顔を伏せてなにやら躊躇っていたようだが、やがて真っ赤な顔で小さく呟く。

「に……」
「に?」

 耳を寄せた俺に聞こえたのは。


「……………………ニャア」


 どうやらそれが返答のようだった。
 いやいや、思わず馬鹿笑いしかけたのを抑えるのには、苦労した。
 本日一番の傑作だろコレ。










 /

 でまあ、後は狂おしくケダモノみたいに繋がるだけ――
 ――という流れだと思っていたのだが。

「何でこうなってんだ?」

 俺は礼拝堂の長椅子の端に座らされている。
 そしてそのすぐ前の床に、カレンがペタリと座り込んでいた。
 俺の問いに答えず何やら口の中でクチュクチュさせながら、カレンは俺の股間のモノに指を這わせていた。
 先ほどまでのアレやコレやの所為で未だ固いままのソレにヒヤリとしたカレンの指が絡みつき、その感触に俺自身がますますいきり立つ。

「ふふ。アンリ、気持ちいいですか?」

 俺自身の反応を見ながらカレンはその口を開き、舌を突き出した。
 カレンがほんの少し屈めば容易に俺自身に舌が触れる距離。暖かい吐息が直にかかる感覚が背骨を流れる電流のようだ。
 その桃色の器官が触れる感触を期待してか、無意識に俺自身がビクリと震える。
 けれど。

「ん――」

 カレンは伸ばした舌先をそれ以上は近づけず、その先端からとろりと唾液を垂らした。先ほどからクチュクュやっていたのはどうやら唾を溜めていたらしい。

「む」

 俺自身の先端の鈴口に垂らされた唾液はそのまま伝い落ち、俺を弄っていたカレンの指に受け止められる。トロトロと垂らされ続けるその液体の為に、カレンの指が俺自身に這うとニチャリという水音を立てた。
 塗された唾液と摩擦でいやらしい感触はすこぶる良好だが。
 だがしかし。

「何でこうなってんだ?」

 実際、カレンのヒヤリとした指が俺のモノを擦る度に、なにやらゾクゾクした感触が背骨の中を駆け上がる。
 けれど、それでも不可解ではあった。あの流れからならすぐに直球な方向に進むはずだったのに、今更こんな前戯を続けている事が。
 カレンの胸を弄り倒したからその逆襲だろうか?
 等と思っていると。

「ふふ、忘れましたか? 貴方が何と言ったか――」

 床の上から見上げるカレンの目は、何か酷い悪戯を思いついた子供のように楽しげだと思った。少しばかりイヤな予感がしないでもない。
 しかしハテ、俺は何かを言っただろうか? 猫とか淫乱とかの単語からだと、前述の流れに進む方が正しい気がするのだが。
 どうしても思いつかなくて、おそるおそる訊ねる。

「何て言ったっけ?」

 その問いにフフと微笑を返したカレンは、ゆっくりと今度は自分で自分のカソックをたくし上げていく。露になる脚、下着、お腹、そして――おっぱい。
 さきほどまでと同じようにそこまで俺の眼に曝け出したカレンは、顔を伏せてポツリと。そう、本当にポツリと一言。


「――乳不足、と言ったのですよ」


 瞬間、教会の空気がピシリと凍りついた気がした。
 え、ええと…………………
 ………………………………
 …………………………あ。
 げげっ、根に持ってやがった!
 つい逃げ腰になるのだが、脚に手をしっかりと置かれて逃げられない。
 一転して非難の目で見上げる視線をどう避けようかと考えていると、カレンは座ったままニジニジと俺の脚の間に自分の身体を入れてきた。

「私のおっぱいが決して不足していない事を証明して差し上げましょうフフフフ」

 俺の息子に話しかけながら、脅迫するように指で先端をグリグリとこね回すのは勘弁してください。
 そして実にコイツらしい陰湿な笑みを浮かべて俺をビビらせつつ、カレンはカソックの裾を自らの口にハムッと咥えた。
 更に空いた手で自分の乳をメいっぱい寄せ集めて、何やら俺のブツとの位置取りやら可動範囲を慎重に試している。その瞳には無闇に不退転の決意が燃えていたりして、どうやらカレンが納得するまで逃げる事はできないっぽかった。
 此処に至って、俺は先ほどカレンが唾液を垂らしたのがその為の潤滑油のつもりだった事に気がついた。用意周到だなオイ。

「でファいヒまフよ?」

 口に服を咥えている為のくぐもった声が聞こえて。
 そうこうする内に、俺の股間のモノがムニュリとした暖かい感触に包まれる。唾液にまみれて、ヌラリとした何とも言えない俺自身とカレンのおっぱいの擦り合わせ。
 おお、ちょっと物足りないがこれはこれで。
 しかし……うぅむ……これは……
 そのままカレンが慣れない手つきで不器用におっぱいを擦り付けるのを眺めつつ、いやはや俺はどうしたモンだろうね?
 まあカレンが何かやけに楽しそうなのでヨシとするか。夜はまだ長いし。










 ちなみに結果から言うと。
 経験値の不足と、カレンがムキになりまくった事と、それからまあやはりというかチョビッとだけおっぱいの容量が不足していた為に、もの凄く延々と生殺されまくった事を付け加えておく。


「あ、アンリ、アンリ! 激し……い!」
「そっちこそ……締めすぎ、だ……!」

 まあ焦らされまくったおかげで、その後がもの凄く熱くて激しかったがね。
 俺も、メス猫ちゃんも、メス猫ちゃんの仔猫ちゃんもな?



<了>



 後書

 牝猫さんのお胸の肉饅頭で遊ぶ話なので猫肉饅頭。うむ、シンプル。
 ちなみにタイトル案第二候補が犬肉飯店だったのは言うまでも無い。

 まあそんな与太はさておき。
 MARさんが新しいお祭をやるというので参加させてもらいました。
 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。願わくばまた何処かでお読み頂ける事を心より。




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